大地の芸術祭2012’①

no_mansland.jpgのサムネイル画像

こんばんは、あっと言う間に旧盆ですね。
暑いけどみなさん、お元気ですか?
スタッフがバタバタで、なかなか更新できませんが元気ですぅ。

先日、「大地の芸術祭」と言う、
トリエンナーレ(3年に一度)開催の現代アート祭典に行ってきました。

初鑑賞時は紹介がてら創作(「二人の距離」)も書いちゃいましたが、
以後も足を運んでいて、
今回、3度目の鑑賞になります。

 

新潟の5つのエリアで、廃校、民家、公営施設、屋外などで
アーティストが作品を創作して展示し、
鑑賞者が、広い範囲に散らばった会場に車やバスで乗り付けて
見るという、移動型鑑賞。

展示が固まっている会場もあるのですが、
全エリアが東京23区なみの広さなので、延延と車を走らせ、
場合によっては、さらに山の上まで歩いて鑑賞に行くことに。

時間、労力、ガソリンを食う鑑賞なんですけど、移動の間に
越後の緑濃い自然、美しい棚田と言った
日本の原風景みたいな景色を眺めながら
「次は何かな?」とワクワクできるのも楽しい。

車の中から目を凝らし、田園風景に変わったものが見えてくると
「お、アレか?」「すげ~」「ちがうかな」
とつぶやきつつ、接近。

美術館の限られたスペースではなく、
民家一軒学校まるごと、ひろ~い見晴らしの良い大地いっぱいに
作品が展開されているのもあるので、スケールが大きく、
その空間全部にひたって鑑賞できます。

こんな説明だけでは、なかなか想像がつかないかもしれませんが、
今回、印象に残ったものから、ほんのいくつかだけ、
ご紹介しようと思います。
アート展のはじっこをかじった気分になって下さい。

十日町、キナーレ会場
No Man's Land(ボルタンスキー)

 現代アートのビッグネームが、会場の屋外部分いっぱいを使っての
迫力のインスタレーション。

膨大な量の古着を山と積み上げ、
時間によって、クレーンがその一部を無慈悲につかみあげる。

過去にフランスで行った展示を日本で再構成したようですが、
東日本大震災を経た日本人には
膨大な「人の記憶」「不在」を感じさせる。
ある意味、現実がアートを超えてしまった中で
無言でため息をつかせる作品。
作家自身が実際に被災地を歩き、再構成したそうです。

これを見て、今回も彼のもう一つの作品
最後の教室」を見ようと決意。

キナーレには他に「浮遊」「Rolling Cylinder」(画像なし)など
大地の芸術祭では、逆に珍しい洗練されたアート作品もあり、
トンネルの中に入って、視界の変化を体感するものや、
炭化した古代植物の森を散策する展示もあって、
盛りだくさん。

kinare.jpg

Growing Memories(上西エリカ)十日町エリア
パリ在住、日系ブラジル人アーティストの
鑑賞者参加型作品。

壁に古地図をかかげ、鑑賞者がジグソーパズルの一片の面に
メッセージを書いて貼り付け、だんだん地図を完成させていく。
メッセージを書くペンが青のグラデーションで、
メッセージの多彩さと、トーンの調整が繊細で、小品ながら楽しい作品。

アーティスト本人が笑顔で説明してくれ、
とってもチャーミングなヒトなのでファンになりました。
あと2週間くらいで完成って言ってたかな。

金色茶屋(豊福亮)十日町エリア

え~っとホントにこっちでいいのかな、と迷いつつ、
田舎道を行くと、かなり古い蔵の前に人の姿。
炎暑の中でたったひとり、鑑賞者を待っている
ボランティアさんは本当に大変。
「いらっしゃ~い」と手を振って迎えてくれた。

「入口は?」「ココです」と無造作に壁の下を指さされる。
ごりごりごり・・と立てつけの悪い木戸が開かれ、
お尻が通るギリギリサイズの入り口が開く。

「中、空調効いてますから」
にっこり笑って言われても、こっちは「閉所恐怖症」なのよ。
「どうぞ」
う~~ん、うなりながら腹ばいになってにじりこむ。
中は一面金色の装飾を施し、シャンデリアと
金の彫像頭部があしらわれたロココ風金色空間。

手作り感と、でもどこかアニメ風の匂いもして、
若いアーティストかな?と想像する。

細い階段を上った上にまた扉があり、中に入ると
こちらはさっぱりと簡素な金色の茶室空間が出現。
なるほど。

西洋趣味と茶道、古い蔵とシャンデリア。
豪華を目指してるけど、手作り感が見え、
ややチープな感じもキッチュ。

こういうアンバランスな作品に出会えるのも、ここの面白さ。
しかし・・・ああ、出られて良かった(汗)
ここに閉じ込められたら、悪夢。

臨床美術プロジェクト・十日町エリア
 公民館に車を停めて、35度の炎天下を200メートル歩き、
「酔狂だな」と自嘲しながら、じりじり焼かれて訪問。

子供、高齢者、認知症の方まで、アート制作で「脳を刺激する」のが
「臨床美術」だそうで、その方たちの作品を
家いっぱいに展示してあるのだけど、
スミマセン!ここの特筆は「カフェ」
「スイーツ」がとんでもなく美味しい!

地元野菜を使った5色ムースや
(私のときは米、赤ピーマン、枝豆、人参、かぼちゃ)
そば粉のシリアル、グラノーラをあしらったパフェ。
(これが一番、おいしかった!中学生の息子がびっくり感激)
組み合わせが完璧で、都会のパティシエさんの洗練されたスイーツ。
暑さが飛びました。

 

4 Comments

  1. .わぁ~~!やっぱりひとつひとつおもしろい!!
    今回も行ってきたのですね、あんなちゃん。
    私も行きたいって思ったけど、なかなか行動に移せるものじゃないわぁ~。
    家族で行けるってところがすごく素敵だなぁ。
    それにしても大がかりな祭典ですね。
    ほんとにプロの人たちが時間と労力をかけて作ってきた作品なんだなとあらためて思いました。
    私が知ってるのは草間さんだけです(*^m^*)
    好きだなと思います。
    パズルで作る地図はおもしろいですね。
    この黒いシルエットは作者ご本人?それともこれ自体が絵?
    金色の茶室、私はガンガンに入って見たいです。“狭いところずき”です(笑)
    でも、金色の茶室をこえたところの簡素な茶室の写真もあったらいいのにね。
    不在を伝える古着の作品、写真でみるだけでも、胸にくるものがありました。
    このような大がかりな取り組みがされている事自体がすごいことだと思うんだけど、
    不景気ななか、がんばって続けられていることを応援したいなと思います。
    芸術や文化の部分って、生きることに直結していないから、
    行政からも簡単に補助が打ち切られたりしちゃうけど
    大切なことだと思うんだよなあ。

  2. .あんこちゃん 今年も行ったのねー。
    フェーン現象でうだる酷暑の新潟の山中を歩く根性に拍手を送ります。
    ボルタンスキーのインスタレーション。 日本人には痛過ぎるね・・
    >東日本大震災を経た日本人には
    >膨大な「人の記憶」「不在」を感じさせる。
    >ある意味、現実がアートを超えてしまった中で
    >無言でため息をつかせる作品。
    まさにこの感想につきますね。 現実の光景の方が
    抽象より悲惨で怒りを憶えるなんて 何て酷い現実だ!
    去年の光景の前では これは「亜」だったり「模」だったりして見えるほどね。
    ↑のシータのコメントに笑いました。
    >金色の茶室、私はガンガンに入って見たいです。“狭いところずき”です(笑)
    狭いところずきです② 私も入って みっちりハマっていたいです。
    草間さんは 元気いっぱいだー。 
    イセタンのヴィトンコラボは なんか水玉タコみたいでウゾウゾだけど
    アタシは こっちの方が楽しそうでいいなあ・・
    楽しい~なんて言ってるうちに 喰われそうだけど(^^;)・・

  3. .どおも~、復活しました(笑)
    しーたやん、ありがとう!
    >家族で行けるってところがすごく素敵だなぁ
    芸術祭はすでに5回目となり、私は3、4そして今回の5回目。
    前回は、初めて子供たち二人を連れて行き、
    玉石混交、テイストも形も表現もさまざまなアートを見て、
    「へえ、こんなのもアートなんだ」と親しみを覚えたみたい。
    どっか別の場所で変わったインスタレーションを見ても、
    「ま、アリかな」と拒否反応がなくなりました。
    >ほんとにプロの人たちが時間と労力をかけて
    作ってきた作品なんだなとあらためて思いました。
    プロの人たちと、地域や支援のボランティアの方たちが
    膨大な時間とエネルギーを提供しているようです。
    こてこての現代アートの脇に地元のおじいさんが、
    受付用のハンコ持って座ってたり、
    変わったアート作品のド真ん中で、
    麦わら帽かぶったおばさんが麦茶出してたりするんだよね。
    鑑賞に訪れる人たちより、先に
    開催する地元の方たちが「ま、やってみよか」と
    受け入れたのが大きいだろうなあ。
    >私が知ってるのは草間さんだけです(*^m^*)
    博物館展示クラスの大物から、ぽっと出の新人(失礼)や
    自称アーティスト(?)まで混ざってるのが面白いです。
    草間さんはワールドクラスの大物だよね。
    わたしは、ちっと苦手ですが(あの点々が)カラフルなのはいいな。
    >金色の茶室、私はガンガンに入って見たいです。“狭いところずき”です(笑)
    うふふ、「押入れ」にこもったタイプ?(笑)
    ところどころにこっち見てる「顔」があってね、ちょび怖いの。
    受付のボランティアさんも「あの顔が怖くて・・」と。
    美形の頭部なんだけど。
    >不在を伝える古着の作品、写真でみるだけでも、胸にくるものがありました。
    そうなの。
    屋外の展示だから、一か月過ぎたあたりでどう様相が変わるのか、
    ちょっと心配もしてるんだけど、その「変化」も含めての表現かも。
    >不景気ななか、がんばって続けられていることを応援したいなと思います。
    ホント!
    毎回、次は来られるかな?とちょっぴり心配するのですが
    ちゃんと開催され、新作はもちろん、
    過去作品のメンテもきちんとなされている。
    それだけでも大変なエネルギー。
    ぞれぞれを大事な「作品」としてみなされているからだと思う。
    過去作が、壊れてゴミみたいに放置されていたら興ざめだもの。
    その努力が続けられるかぎり、頑張って見に行きたいと思います。

  4. .ボニさん、忙しいのにありがと。
    >フェーン現象でうだる酷暑の新潟の山中を歩く根性に拍手を送ります。
    新潟=雪国=涼しい、と思ったら大間違い!
    と知ってはいたけど、新潟の暑さって半端じゃない。
    日差し+湿気+無風がトリプルパンチ。
    現地で帽子買って、その上からスカーフかぶって回りました(笑)
    あやしいけどねえ。
    夜、宿のテラスから間近に迫る森をながめていましたが、
    葉っぱ一枚、そよがない。
    森のどこもまったく動かず、葉擦れの音もない。
    「カサカサ・・」と音がしたら、それは
    しのびよるでっかいカミキリ虫とか、蛾の羽音(恐)
    >現実の光景の方が
    抽象より悲惨で怒りを憶えるなんて 何て酷い現実だ!
    去年の光景の前では これは「亜」だったり「模」だったりして見えるほどね。
    そうなんだよ。
    これは震災を「模」したアートなのか?と思っちゃうけど、
    実際は何年も前に、一度パリで行ったインスタレーションの再構成。
    多くの人に東日本大震災を思い出させても、
    「戦争」を思ったり、「病気」や「水害」を考える人もいると思う。
    もちろん「原発」も。
    それぞれの中にピントの合う答えを探させるところが、
    ボルタンスキーってすごい、と思います。
    >狭いところずきです② 私も入って みっちりハマっていたいです。
    あそこでお茶が飲める?
    わたしは飲めないぞ。
    だ、出してくれえええ(ガリガリガリ・・)
    >草間さんは 元気いっぱいだー。 
    ホントだね(笑)
    他にももう少し紹介したいと思っています。
    ….

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